Artykuł: 琵琶湖の東北
Data dodania: 2013-12-13
姉川は、琵琶湖の東北、近江の北境に在る金糞岳に発した梓川が伊吹山の西に至って西に折れて流るる辺りを姉川と称する。尚西流して長浜の北で湖水へ入っている。姉川というのは、閻魔大王の姉の竜王が此の川に住んでいるから姉川と云い初めたという伝説があるが、閻魔大王の姉に竜王があるという話はあまり聞かないから、之れは土俗の伝説に過ぎないであろう。野村、三田村附近では、右岸の高さは六七尺以上で、昇降には不便であったらしい。只当時の水深は、三尺位であったというから、川水をみだして逐いつ逐われつ戦ったわけである。
六月二十八日午前三時に浅井軍は野村に朝倉勢は三田村に展開した。
払暁を待って横山城を囲んでいる織田軍を攻撃せんと云うのであった。ところが信長が二十七日の夜敵陣にたくかがり火を見て、敵に進撃の気配あるを察し、それならばこちらから、逆撃しようと云うので、姉川の左岸に進出していたから、浅井朝倉軍が展開するのを見るや、先ず織田徳川の軍から、弓銃をもって、挑戦した。これは浅井朝倉勢にとっては可成り意外だったろう。喜右衛門に於&#