Artykuł: かくの如く
Data dodania: 2013-12-13
かくの如く遠藤の決死は頗る悲壮であるが、彼は、長政が初めて佐和山に於て信長と対面したとき、信長の到底頼むべからざるを察し、急に襲って討たんことを提議し、長政の容るるところとならなかった事がある。また、今度長政が信長と絶縁せんとするや、到底信長に敵しがたきを知って極力諫止せんとした。しかも、いよいよ手切れとなるや、単身敵陣に潜入して、信長を討たんことを決心す。実に、浅井家無二の忠臣と云うべきであろう。
しかし、今度の戦い、浅井家に取って必死の合戦なりと思い決死の覚後をした者、他にもいろいろ、その中にも、最もあわれなるは浅井雅楽助である。雅楽助の弟を斎宮助と云う。先年世良田合戦、御影寺合戦(永禄三年)終って間もなく、浅井家の家中寄り合い、諸士の手柄話の噂などした。喜右衛門に於&#