Artykuł: 衰残の姿いた&#
人々は、衰残の姿いたいたしい市九郎に、 「もはや、そなたは石工共の統領をなさりませ。自ら槌を振うには及びませぬ」と、勧めたが、市九郎は頑として応じなかった。彼は、たおるれば槌を握ったままと、思っているらしかった。彼は、三十の石工がそばに働くのも知らぬように、寝食を忘れ、懸命の力を尽くすこと、少しも前と変らなかった。 が、人々が市九郎に休息を勧めたのも、無理ではなかった。二十年にも近い間、日の光も射さぬ岩壁の奥深く、座り続けたためであろう。彼の両脚は長い端座に傷み、いつの間にか屈伸の自在を欠いていた。彼は、わずかの歩行にも杖に縋らねばならなかった。 なくしてしま&#